人にやさしくできるってたやすいことではありません。
お亡くなりになったファッションイラストレーターの長沢節先生は、どんな人にもおやさしかったのです。お別れ会の時ファッションデザイナーでセツモードセミナー門下生のお一人だった花井幸子さんがお別れの言葉の中で、お一人でお住いの先生に夜遅くお家にお帰りになるのはおさみしくないですかとたずねられたら、だから人にやさしくできるとおっしゃったというようなお話をなさいました。ご自分にはきびしい方だったと聞きます。ちょっとでも先生のように人にやさしくできたらいいなぁと、あれから思い続けています。
実は私はいろんな方にやさしくしていただいて現在があります。イラストレーターになる時もイラストレーターの河原淳先生や前VANの石津祥介氏やマガジンハウスの故清水達夫会長さんが力をくださり、ずーっとずーっとやさしくしてくださいました。石津祥介氏のお父上の謙介さんも、先日の私の版画展のオープニングにわざわざ来てくださり、頑張ってるねっていってくださいましたが、やさしくしていただけると自信が持てて力が湧きます。
そのオープニングの後で遅くまで残ってくださった人達と、ちょっと飲みに行こうということになり、シューズデザイナーの高田喜佐さんに予約してもらったキャロルという店に行きました。15人程でしたがこの集まりの楽しかったこと。お名前をあげるとエーッとびっくりされる人達だったのですが。
それにしても、何であんなに楽しかったのか、後で考えてみましたら、やさしくていい人たちばっかりだったからでした。素敵は外側ばかりのことではありませんね。気持ちがやさしくていい人はすてきな人なのです。