おしゃれは大事よ
第68話 氷あずき的中高年のおしゃれ


 欲しい画材を求めて、渋谷にある東急ハンズと伊東屋と上松絵の具店をまわったら疲れてしまいました。なにしろ暑い日でしたから。それで一人だったけどお茶がしたくなり、東急文化会館の一階のフルーツパーラーに行ったのですが満員の様子。どうしようか。あっそうだ、氷あずきだ! 二階の奥に甘味屋があるのです。そこの氷あずきは、みつを別器に入れてあるので、甘さが加減できて私には嬉しいのです。ううっ、今年初めての氷あずき。私あれ大好きです。
 幸い席が空いていて座れました。注文したのがくるまでまわりの人たちをウォッチング。ほとんど中高年の女性です。甘味屋ですし、お昼すぎですし、皆さんお友達とお買物の帰りみたい。笑ころげている人、悩みをしゃべっているような感じの人、もちろん私みたいに一人で、うどんのようなものを食べている人。
 中高年が集まる場所では、必ずイッセイさんのプリーツシリーズを着ている人が一人はいます。その日もうす茶のTシャツを着ている人がいました。座っているので下は見えませんでしたが。
 どたどたと2人と3人の2組が入って来ました。2人は私の横を通って奥の席に行きます。年の頃は限りなく私に近い。丸みのある体に筒のようなシルエットのニットのツーピースを着ている人が先頭をきっていたので、その人の恰好しか見えませんでしたが、なかなかいい感じなのです。入ってくる人出て行く人、よくよく見ていると私の中高年に対するイメージと違いました。みーんなおしゃれさんなんですねぇ。少し前のおしゃれさんは装飾過多だったけれど、今の人達はそうじゃないのですよ。これ見よがしの高級ブランドものも見なかったし、色もシック。もっとも甘味屋さんだから地味なのかな?
 渋谷も街の中では若い人しか目立ちません。

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